レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
――何時間、泣き続けただろう。
ようやく顔を上げた時には、電気も付けていない部屋は真っ暗だった。
だけど、明かりを点ける気にも、何かを食べる気にもなれない。
いっそのこと、
さっき見た衝撃的な場面が全部夢だったらいいのに……。
泣き腫らした目で、ぼんやりと前方を見ると、放り投げたバッグが目に入る。
倒れたバッグからはみ出しすケータイのストラップが、ますますさっきのことを思い出させる。
「……っ」
要らない。
もう、こんなの要らない……!!
私は手を伸ばし、ケータイを掴むと、勢いよくストラップを引っ張ろうとした。
だけど、ケータイの画面に写る『新着メール1件』の文字と、
それを知らせる青いランプを見て動きが止まる。
「……梓……」
メールにはこう書いてあった。
sub:明日♪
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駅前に8時集合!
時間厳守!!