レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
オクビョウモノ
結局。
一睡もできぬまま、朝を迎えた。
朝……と言っても、まだ6時前。
辺りは暗い。
なんとなく窓の方へ耳を傾けてみたが、どうやら雨は降っていないようだった。
でも、いつまた降って来るのかわからない、そんな不安定な空が広がる。
――昨日、梓はどんなつもりでメールを送って来たのだろう?
この前……。
どんなつもりで、私を誘ったんだろう?
考えたくなくても、必ずどこかで考えてしまう。
一年前にすっきりと忘れられたら……
そのまま何も気にせずに暮らしていたら……
こんな思い、しなくて良かったのかな――……?
私が好きなのは君ひとり。
今でもまだ、想い続けている。
不覚にも。
昨日そのことがよく分かってしまった。