レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
【4】
時計の針がカチカチと動く。
約束の時間が近付く度、私の心がチクリと痛む。
その時間が、
本当のタイムリミットだから……。
とてつもなく苦いコーヒーを全て飲み終わった後、私はケータイを手に取った。
冷たい指で短いメールを打つ。
sub:Re:明日♪
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ごめん、行けない。
たった一言そう書いて送信完了の文字を確認すると、そのまま電源をオフにする。
真っ暗になった画面に映った自分の泣き腫らした顔を見て、思わず苦笑してしまう。
――さよなら、千秋。
心の中で呟き、私は1年間付けっぱなしだったストラップをそっと外した。
少しでも早く、忘れるために。
窓の外はだいぶ明るくなり、雲の隙間から薄日が射していた。