レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
フタリデ……
――――……
―――…
「……ねぇ、千秋!
どこ行くの?!」
「……」
私は君に手を引かれ、ずんずんと歩いていく。
何度問いかけても、君は黙ったまま。
真っ直ぐに前を見て、私を引っ張っていく。
その後ろ姿は、少し怒っているようにも思えた。
だけど、繋がれた手は暖かい。
ものすごいスピードで歩く私たちを、通りすがりの人は驚いたように見ていた。
いったい、何を考えているのだろう……?
訳もわからず、私は君に付いていくだけ。
君の後ろ姿を見つめながら、ただただ歩く。
瞳にたまっていた涙は、外の空気に触れて、いつの間にか乾いていた。