レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
しばらく歩いて着いた先は、付き合っていた頃、二人でよく来た公園だった。
デートの後、まだ一緒にいたくて立ち寄っていた、あの公園。
砂場の隣にある、水色のベンチは私たちの定位置だった。
「しずく、座って」
一足先に、ベンチに腰を掛けていた君は、隣をポンと叩く。
とりあえず、それに従う。
一年前までは、ほとんどなかった隙間が、今は30センチくらい開いていた。
「……オマエさ、何か勘違いしてるんじゃねぇ?」
「……は?」
オマエ……って。
まぁいいんだけど。
私はじっと続きを待つ。
「……梓はただのサークル仲間だよ。
そんなの、オマエがいちばんよく知ってるだろ?」
――パチッと、重なった視線。
それを聞いた私は慌ててそっぽを向くと、
重たい口を開いた。