レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
「好きだけど、別れる。
そんな選択肢もあるんだって……。
だったら、この気持ちがオマエの重荷になる前に、別れようって思った。
梓はそんなオレを叱ってくれたんだ」
……知らなかった。
あの映画が、君の心を決めていたなんて――……。
――その後私たちの別れを知った梓は一年前、千秋に詰め寄ったのだという。
「……どうして、別れたんだって。
しずくを傷つけるなんて許せないって。
でも、呆れてたよ。
その後も未練タラタラのオレを見て。
……だけど、結局何もできないまま一年が過ぎた。
そんな時、今日の登山の話が出たんだ」
そしてその時、
梓はこう言ったらしい。
‘これが、最後のチャンスだ’と。
「……自分が必ずしずくを連れてくるから、ちゃんと気持ち伝えろってさ。
アイツ、口うるさい母ちゃんみたいだよな」
君はそう言って、ハハッと笑った。