【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
冬の告白
「快斗〜帰るよ〜!」
「おう」
彼が当たり前のように返事する。
「快斗、寒くない?」
「ん?大丈夫。ほら」
「!!」
彼が当たり前のように私のコートの左ポケットに手を入れる。
私の心臓がトクンと静かに鳴る。
「ちょっとー、ちゃんと手袋持ってきなよ」
「ヘヘヘッ」
マイペースな彼。
そんな彼の笑った横顔が大好きだ。
もう15年近くこの横顔をみてきた。
気づけば同じくらいだった身長も
高校生になった今は20センチも追い越されてる。
道行く人には…恋人に見えるかな。
私たち。
見えていたらいいのに。
「あ、ちょっと待って」
快斗はコートのポケットからふわっと手を出して、突然走って行く。
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