【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
それから1週間、放課後は白山くんのところに行くのが日課になった。
同じクラスでもないのに、プリントや学校からの手紙を渡しに。
多分そんなのはただのこじつけで。
本当はただ会いたかったんだと思う。
快斗のことでできてしまった寂しさの穴を。
白山くんが知らず知らずのうちに埋めていてくれた。
「先輩、いつも会いに来てくれてありがとうね」
「何いきなり」
「ううん。…なんか入院長引きそうなんだよね。俺の担当の先生すげぇ心配症でさ」
「うん」
「もう少し完全に体調を整えてから…って」
「その方がいいじゃん。完璧に治ってから、また戻ってきなよ」
「わかってるんだけどさ〜暇すぎるよ〜ここ」
白山くんは退屈そうにベッドにバタンと倒れ込む。
「あ!先輩!屋上、連れてってくれない?」
白山くんは目をキラキラさせて私のことを真っ直ぐ見ながらそう言った。