【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
「今が一番…綺麗だから」
「そんなこと言ったって何もやらんぞ」
「えーー飴くらい欲しいな」
「フンッ」
「嘘」
「へ?」
「今の先輩、誰よりも綺麗ですから」
!!
そういう白山くんは耳まで真っ赤で、こっちまで恥ずかしくなる。
「先輩が好きだよ…俺」
こんな真っ赤な顔で冗談を言ってるとは思えない。
「白山くん…」
「退院したら…デート…してくれませんか?」
その目は真っ直ぐ私を見ていて。
私だけを映していて。
白山くんの気持ちがしっかり伝わった。
「退院したら…考えてもいいよ」
「よっしゃ!」
隣で小さくガッツポーズした白山くんをすごく愛おしく感じた。