【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
「サンキュー」
快斗は10円玉を受け取ると、自販機の小銭口に流し込んだ。
ピッ
ガタン
「ヒヒヒッ。コンポタ〜〜」
「何回言うのよ」
高3にもなってまだ小学生みたいな無邪気な顔をする快斗だけど。
時々授業中に見る真剣な目とか、男らしくなった手を見ると、ドキドキしてしまう。
カチャ
ゴクッ
「アチッ…う〜〜うめぇ!!」
コンポタを一口飲んだ快斗の喉仏なんかに目がいって、また男の子だって実感してドキッとする。
「ほい」
「え?」
「飲みたいんだろ?10円分なら飲んでいいぞ」
快斗はそういって私にコンポタの缶を差し出した。
これって…
間接キ…
「へ?飲まねーの」
「あ…うん…今はいいかな」
「ふーん」
なんで断ったんだろう。