【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
「あのさ快斗…」
快斗は気にしないのかな。
私との間接キスとか。
「何?」
缶の底に残ったコーンに苦戦してる快斗はこっちを見ないでそういう。
快斗は私のこと…。
「私が…快斗のこと…」
快斗がゆっくり私の方を向いたので
思わず目をそらしてしまう。
「快斗のこと…好きっていったらどうする?」
「相川たちとまた変な罰ゲーム考えたんだろ」
「…」
私は本気だよ。
ずっとずっと好きなのに。
きっと今じゃないと、ずっとできないと思うから。
きっと今なら全部寒さのせいにできるから。
「快斗のこと…ずっと好きだった」
「…ふざけてるなら怒るよ」
「本気だよ」
私はいつだって本気だ。
「ごめん、葉月とは付き合えない」
快斗は今まで見たことないような困った顔をして、そう言った。