【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
白黒の世界
バッカみたい。
ずっとずっと好きなのは私だけだった。
小学生の頃のフォークダンスも
余り物だって嘘ついてあげたチョコも
一緒にかぶった傘も
ドキドキしてたのはいつも私だけだった。
快斗の中で私は本当に
ただの『幼なじみ』だったんだ。
この高校だって快斗がいるから入ったのに。
ここにいる意味もなくなってしまった。
全部がモノクロに見える。
クラスの子の会話も。
授業も。
何も聞こえない。
聞こえるのは。
快斗の申し訳なさそうに小さく聞こえた
『ごめん、葉月とは付き合えない』
ってセリフばかり。
斜め前に座る快斗を直視することも、今の私には不可能。
私は窓の外に目をやって、ひたすら灰色に映った空を見つめた。