【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
「聞きましたよ〜」
白山くんが少し不敵な笑みを浮かべて、顔を近づけてくる。
「先輩、振られたんですかー?」
「はぁ?!」
「しかも毎日一緒に帰ってる幼なじみの…」
「なんであんたがそんなこと知ってるのよ!」
白山くんが快斗の名前を口に出す前にそう聞く。
「へ?だって見てたから」
「見てた?!」
「別にストーカーしてたわけじゃないよ?本当にたまたま、先輩たちの後ろを歩いてて聞こえたんです…」
「へー…」
「なんですかその疑いの目」
「べっつに〜〜」
そう。もう別にどうでもいいことなんだ。
バカみたいに私だけ恋人気分で。
バカみたいに私だけ舞い上がって。
快斗が…ポケットに手なんか入れるから…。