【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。

「聞きましたよ〜」
白山くんが少し不敵な笑みを浮かべて、顔を近づけてくる。

「先輩、振られたんですかー?」

「はぁ?!」

「しかも毎日一緒に帰ってる幼なじみの…」

「なんであんたがそんなこと知ってるのよ!」


白山くんが快斗の名前を口に出す前にそう聞く。


「へ?だって見てたから」

「見てた?!」

「別にストーカーしてたわけじゃないよ?本当にたまたま、先輩たちの後ろを歩いてて聞こえたんです…」

「へー…」

「なんですかその疑いの目」


「べっつに〜〜」


そう。もう別にどうでもいいことなんだ。
バカみたいに私だけ恋人気分で。
バカみたいに私だけ舞い上がって。

快斗が…ポケットに手なんか入れるから…。


< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop