【短編】大嫌いな君にデートに誘われたって行くわけないでしょ。多分。
「…せ、先輩!ごめんなさいっ!冷やかすつもりとか全然なくて…ただ俺…」
へ?
白山くんが突然あわあわと慌てだす。
「ごめんなさい…泣くほどとは…」
え?
自分の頬を指の腹で撫でる。
私…泣いてる…。
「あ、違うの…なんでだろう…ゴミが目に…」
「偉かったですよ、先輩」
白山くんはそういうと私の頭にポンポンと手を置いた。
いつもうるさくて生意気だけど。
こうやって慰めてくれるの。
ちょっと嬉しいかも。
なんて。
「可哀想だから…デート誘ってあげましょうか?」
「はぁ?!」
いつもの生意気白山くんに戻ってる。
「デートしましょうよ、俺と」
白山くんはそういうと、いつもの笑顔でそう言った。