陰陽師少女、言い寄られる

天使の可愛い天使



「ただいまー」

あれからさっさと帰り、ちょうど家についた。
すると

タタタッ

と廊下を走る音がする。
来た。

「おかえりーっ!おねーちゃんっ!!」

と言って小学二年生の可愛らしい女の子が飛びついてくる。
この女の子は私の愛しくて可愛い妹、瑠衣。
愛らしいクリクリっとした私と同じ海のような深い碧の大きな目、ふんわりとした栗毛色の髪(ちなみに今の私の髪は瑠衣とお揃いにしてある)桜色の唇 もう、いろんなのが相まって可愛い。 とにかく可愛いっ!

「瑠衣、今日は学校楽しかった?」

「うんっ!みんなといっぱい遊んで楽しかったよ でも、おねーちゃんといるのも楽しい」

とふにゃっと笑う。

…………か、可愛すぎるっっ!!!!
おっと、いけない いけない可愛い妹と戯れるのもいいけど仕事があるんだった。

「じゃあ、お姉ちゃんちょっとお仕事あるからまた後でね」

「はーい おねーちゃん頑張ってね」

名残惜しいが瑠衣の頭をなでその場を後にする。
まず、洗面所に行き長い栗色に染めた髪を洗う。
すると地毛の金色の髪が顔を出す。
濡れた髪をタオルで巻き自分の部屋へ向かう。
クローゼットから仕事着を出し、着替える。
基本的動きやすいように伸縮性のジーパンにロングTシャツ、上着を着る。
その後、クール系のメイクを淡く施す。
全体的にシンプルでクールな感じだ。
それから髪を軽くドライヤーで乾かす。
なんと言うことでしょう。
学校とは違う天然金髪ストレートの髪の出来上がり。
これで仕事中でも学校の人は一目見ては誰も気づかない。
まあ、目立つけど。
でも髪や、少し化粧したり服をその人の見た目とは違ったものにするだけで人の印象はかなり変えられる。
なんてたって私の仕事は人には言えないことだからね。
髪をひとつにまとめ高い位置でポニーテールにする。
そして母のいる和室へ向かい、入る。
そこには仕事で使う道具や古い本が積み重なってたり散らばっている。
その中で一人黒髪の女性がいる。
うちの母だ。
艶やかな漆黒の黒髪、少し蠱惑的な髪と同じ色の目、口紅を塗っていないのに真っ赤に熟れた唇、色の白い肌、そして極めつけはナイスバデーな身体。
母親に対して使うのもアレだが全体的に色っぽく艶やかだ。
見は目は……そう、見た目は。

「お母さん。ただ今帰りました。」

母に帰りの挨拶をすると

「おうか〜〜〜!!いつも言ってるじゃない。お母さん、じゃなくてママって呼んでって。もうっ!小さい時はママ、ママって私の後をテトテトとついてきてそれはもう可愛かったのに今じゃ…」

うん、何も言わないでくれると助かる。
私の母はいつもこうな感じだ。
見た目はとても艶やかなのだが中身はふつーいや、かなり元気だ。
ギャップが激しい。
これでもかというくらい。

「それで、仕事って。」

「スルーしないでよ〜。
さみしーじゃないっ!
はぁ…この頃ママ少し寂しいわ。
それで仕事は○✕ビルで火に関する厄があるから未然に防ぐか厄を浄化してきて。」

母が仕事の話になると一気に真剣な顔つきになる。
相変わらず仕事とプライベートの差が激しいな。

母の仕事は占いだ。
ジャンルは様々だ。
一般的によく使われるタロットやカードなどや、専門的な知識と本物の道具と才能がないと出来ない陰陽師と呼ばれる人たちが使う占いなど様々な占いをする。
母は昔から占の能力が以上に強くそれをいかし、厄災を未然に防いだり祓ったりする。
ただ戦う能力はないのでほぼ家に篭もりっきりだが。
さっきから言っている厄とはいわば、怨霊や妖などの人に害なす者が起こす騒動や危険のこと。
それを処理したり浄化するのが私の仕事。
まぁ、一般的に言うと陰陽師やお祓い屋さんというところ。
ただ私の場合他の陰陽師には出来ない浄化、怨霊などの穢れを清めることが出来る。
普通であれば強制的に消滅させるのだ。
だからこの業界では私と母はかなり有名だ。

「分かったわ。行ってきます。」

そう言って母と瑠衣に学校の帰り道に買ったカステラを私家を出る。
それを瑠衣と母は目をキラキラさせてフォークと皿を用意していた。


この二人の精神年齢はほぼ変わらない…。

< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

東と西の恋
白月華/著

総文字数/20,022

恋愛(ラブコメ)13ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop