縁側で恋を始めましょう

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最近は夜にもなると風が冷たくなってきた。
もう暦上では秋だ。
こうして窓を開け放ち、庭を眺めながら廊下に寝転がるのが出来るのもあと少しだろう。

ビールも冷える。でも、熱燗はあまり得意ではないからなぁ。
寒くなると、ビールもこの場所では飲みにくくなるなぁ。

「どうせ冬でも窓閉めて、こうして寝転がってビール飲むくせに」
「……」

暁に考えを読まれてムッとするが、ビールを持ってきてくれたから良しとしよう。
身体を起こし、上機嫌でプシュッとプルタブを開ける。

そういえば、と疑問に思っていたことを聞いてみた。
今更だけど、今なら聞けるだろう。

「ペンネーム、どうして空野アカツキなの?」
「え?」

隣に座った暁は驚いたように目を見開く。



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