縁側で恋を始めましょう
しかし、どうやって殺されたいかなんて発言は月曜日の朝からする話ではないし、はたから聞けば物騒極まりない。
幸いにも家から見える道路に人通りはなかったが、とりあえずご近所さんに聞かれなくてよかった。
男はそんなこと気にも留めずに、早くしろと餌を目の前に待てをされた子犬のような目をしている。
仕方ないなぁと呟き、大きく開け放たれた窓から庭を見つめた。
う~ん……。
「そうだな、熱中症」
「は?」
庭に差し込む夏の日差しに、今日も暑くなるのかとうんざりした気持ちを持ちながら呟いた。
「今の季節なら熱中症かな」
「何それ。殺され方聞いているんだよ? 熱中症でなんて……」