縁側で恋を始めましょう
「そんなんだから彼氏が出来ないんだよ」
「余計なお世話です」
「いつからいないの?」
暁もビールを口にしながら聞いてくる。
いつから?
いつだっけ。うーん、と記憶をたどり、ろくでもない元カレにたどり着いてゲッと顔をしかめた。
あれはいまから二年前だ。
付き合って二か月で浮気された。
理由を問いただすと「女の子らしいこがいい」と言われたのだ。
一度、この家に招いて頑張って手料理を振る舞ったが、苦笑され、彼の田舎のおばあちゃんを思い出したと言われた。
そのおばあちゃんは料理が苦手で、味が濃すぎたり薄すぎたりと不安定。つまりは美味しくなかったという。