縁側で恋を始めましょう
イライラした気分で靴を履いていると、後ろから暁が声をかけてきた。
「何よ」
「おお、怖。つーか、マジでそんなスカーフをしていると熱中症になるよ」
「誰のせいよ」
キッと睨み付けると肩をすくめられ、首元に手が伸びた。
「えっ、なに」
温かい指の感覚にビクッと身体を震わせると、するっとスカーフが解かれる。
「あ、ちょっと」
「あぁ、くっきり痕になっているね」
その笑顔が昨日を思い出させ、カッと顔が熱くなる。どこか艶やかさをみせる笑顔。
いつからこんな顔が出来るようになったんだ。戸惑いと恥ずかしさに俯きながら、暁の手にあるスカーフを取り返そうとすると、それをかわされ、代わりに何かを首に貼られた。