縁側で恋を始めましょう
「少し考えればわかるはずだよ」
そういわれてギクッと身体が固まる。
こうして抱きしめる理由。キスする理由。
つまりそれって……。
暁はゆっくり身体を離し、フッと微笑んだ。
「真っ赤」
色気を含んだ笑みを浮かべながら暁は私の頬を撫でた。
「じゃぁ、先に風呂入って寝るね」
そう言って縁側に私を残して部屋を出て行った。
「少し考えればわかるって……」
普通、ただの幼馴染にキスしたり抱きしめたりするはずはない。
いや、幼馴染ではなくても、何とも思っていない相手にそんなことする人は少ない。いたとしても、暁はそういうタイプではないはずだ。
「ということは……」
何となくそうかなとは感じていたけど、確信していいということだろうか。
暁は私のことが好きだということに。