縁側で恋を始めましょう
6・
土曜日。
「九時半か」
この数日、妙に暁を意識してしまっていたせいか、今日は身体が疲れていたようでいつもより起床が遅くなってしまった。
暁はずっといつも通り、いやどこか余裕を含ませた様子がさらに私を意識させて戸惑わせていた。
きっと、私の考えは合っている……と思う。
暁が私を好きだと考えると、暁の様子も納得できる。
でもだからって、急にそんな態度されてもどうしたらいいのかわからないのが本音だ。
今まで、ただの幼馴染としか見ていなかった。可愛い弟のような存在だった。その壁を飛び越えてくる暁に振り回されてしまう。
最近では毎朝ため息とともに起床していた。
「……起きようっと」
こんなところでグダグダしていても仕方ない。同じ家に住んでいるのだからいずれは顔を合わせなくてはならないのだから。