縁側で恋を始めましょう
寝起きのままリビングへやってくるとそこには暁の姿はなく、テーブルに朝食置いてあった。
サンドイッチだ。ひとつつまんで、おや? と思い辺りを見回す。
休みの日は起こしに来たりはしないから別々に朝食を取ることがあったが、私が起きてくると暁は部屋に居てもわざわざリビングまで来て用意をしてくれる。
なのに、今日はすでに朝食が机に用意がされていた。
こんなことは初めてだった。
「暁? いないの?」
出かけたのかな。そんな話はきいていなかったけど……。
すると、二階から足音がして暁が降りてきた。
その姿に一瞬言葉をなくす。
ノーネクタイだが、黒っぽいスーツに、いつもは無造作におりている前髪は後ろに流すようにセットされているおり顔が良く見える。
質の良さそうなスーツは暁によくあっており、顔立ちも相まって、どこかのモデルのようだ。