縁側で恋を始めましょう
「これからもっとメディアに出るんですよね。いいんですか、タワーマンションとかに住まなくて。そもそも売れっ子の先生ならもっといい家に住めるんじゃないですか」
「紗希」
「というか、私なんかと住めるような立場の方ではなかったんですね。誤解されちゃいますよ、先生」
「紗希!」
きつい声で名前を呼ばれ、反射でビクッと肩をすくめた。
見上げると暁が怒ったような目で私を見ている。
「それ本気で言っている?」
低い声に言葉が詰まる。