雪の日に祝福を…。
デスクに戻り仕事を片付ける。婚約者のピンチも知らずに。
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彼は、この頃から何事も上の空で仕事もミスばかりが目立つようになった。食欲もないようで男版マリッジブルーなのかと思っていた。
まさか深刻な問題に悩まされているとは、夢にも思わなかった。
まさか、最大の裏切りが待っていたなんて・・・・・・。
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「月依・・・・・・話しがあるんだ。仕事が終わったらいつものカフェに来てほしい。」
結婚式を1週間後に控えた朝電話でそう言われた。彼の様子がおかしくなってから2週間と少し経っていた。
仕事の都合をつけて何とか時間を作って行った矢先でまさか・・・・・・
【結婚式、取りやめにして欲しいんだ。】
なんて言葉を訊くとは思ってもみなかった。余りの衝撃に熱々のコーヒーをぶちまけて出て来てしまった。
「最悪・・・・・・。」
下を向いたら涙が零れそうだった。
「月依っ!」
呼ばれて振り向くと婚約者が立っていた。
「話し、終わってない。」
「そうね。撤回するなら話しを訊いてあげる。
「月依。撤回は、出来ない。君とは、結婚できない。」