雪の日に祝福を…。
   


「若狭。」


「はい、部長。」


「千明(チギラ)社長が応接室えお待ちだ。」


 職場に着くなり大物からの呼び出しに驚く。


「千明社長って私の担当じゃないですけど・・・。」


「直々に君をご指名だ。」


「そう、ですか。解りました。」


「早く行きなさい。」


 急かされてエレベーターで会議室と応接室のみの階に向かう。


「お待たせしました、若狭です。」


 応接室に趣味のいいブランド物のスーツに身を包んだ男が居た。


「やあ、若狭さん。朝早くにすまないね。」


「いいえ、遅くなりまして。」


「構わないよ。さ、座って。」


「はい。千明社長、私は担当では無いのですが・・・・・・。」


「解っています。私の担当は、鈴村くんだからね。でも、仕事ではなくてプライベートな話しがあってね。」


 物腰柔らなイメージとは違い瞳の奥が笑っていなかった。


「お話しお訊かせ下さい。」


「ああ、そうだね。単刀直入に訊こう。」


 目の色が言葉通りに変わった。


「うちの息子とはどう言う関係かね?」


「はい?」


 突然の問いに驚く。


   
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