アイドルの素顔に夢を見るのは間違っている



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それにしてもだ。


俊輔さんが恋をしたからと言って、それをやめろなんてことは言えない。


凛太郎くんと健吾さんとタイプが違いすぎるし、更生させるといってもあの人が一番真面目でしっかりしてるし支障は出ないのでは……



いやだけど、そりゃ業界探せばいるだろうけど……アイドルがゲイだって公になるのは困る。




「はぁぁ。」



どうしたものかとため息を吐くと健吾さんがポンッと頭に手を乗せてきた。



「……心優ちゃん。俺が俊輔の悩みを解決してやろうか?」


そしてこんなことを言ってくる



「できるの??」



あの一件からすっかり友達みたいに接してくるので、いつの間にか敬語も取れたけどこれはこれでいいのだろうか……


まぁいいか。





「……蓮斗にたぶらかして貰えばいい!」



自信満々に親指を立てて歯を見せた彼を私は目一杯睨みつけた。




「え、どうしておこんの?」



「それ、健吾さんがなんとかするんじゃなくて蓮斗さんがなんとかするんじゃん。」



やってくれるわけない。


そしてもしやったとしても見返りを求めてくるに決まってる。得策ではない。




「蓮斗が好きだなんていえば、俊輔は一発で他の男のことなんてどうでも良くなるのに。」



「……それじゃあ俊輔さんを騙すことになるでしょ。そしたら私もっと嫌われる……」



「あーそれは考えてなかったわ」




だろうな。



中身のない考えをハッと鼻で笑い、スマホで時間を確認。



とりあえず一度は、どんな人なのか確認するべきかなぁ……




俊輔さんは女の私が負けてると思うくらい女子力高いし、肌も綺麗だし、顔も綺麗。女装すれば間違いなく私よりも目立つだろう。



相手の人がゲイなら、恋仲になる確率はゼロではない。いやノーマルでもゼロではなさそうなのだけど。





「だぁあああ」



ダメだっ!!!




こんな問題解決しようがないよっ!!!
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