アイドルの素顔に夢を見るのは間違っている
あれから何度も電話をかけてみたけれど、慎太郎くんに繋がることは無く、時計は12時を回ってしまった。
晃は気付けば眠りについていて、私は真っ暗な部屋のその横でまたスマホを取り出す。
慎太郎……一体どこに行っちゃったの。
明日はダンスレッスンの先生が来るし朝は早い。まぁ彼はこないだろうけど。
「はぁ……」
たまらなくなってしーちゃんに連絡を入れてみる。だけどこちらも返事がない。
モヤモヤする……せっかくの休みだったのに、なにも休めてない…。
でも身体の疲れは確実に溜まっていて、ウトウトと意識が飛び始めた。
ゴトンとスマホが落ちる音がしたのに、拾う気力がなく、そのまま瞼が完全に閉じる。
スマホが鳴る音がした気がしたけれど、もう完全に身体の電池が切れてしまったのだった。
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リリリリリリリリ
毎日同じ時間にセットしているアラーム
重たい身体をゆっくり起き上がらせて、スマホを手に取り、音を静めた。
もう朝……夢も見ないなんて相当疲れてる。
そんなことを思いながら、画面を見るとしーちゃんから連絡が入っていることに気がつく。
……あ、慎太郎くんっ!!!
まだ帰ってなかったらどうしようかと青ざめて、アプリを開くと
慎ちゃん見つかったわ。
新作の大人気ゲーム買うのに徹夜で並びに行ったみたい。
衝撃の事実。
「はぁ!!?」
思わず大声を上げると、横にいる晃が
んん…
とモゾモゾ動いたので慌てて口を閉じた。
あり得ないし、信じられないっ!!!
もっと色々聞きたいことはあるけど、今は怒りの方が強くて、イライラしながら着替えを済ませる。
…大人として、みんなのチームとしてこんなのモラルが無さすぎるわ!!
みっちり説教してやるっ!!