アイドルの素顔に夢を見るのは間違っている


いまの言葉が本音なら油断ならない。


「なんだ。お前いたのか」


「いたわよっ!というか説明しなさい!どういうことよ!!」


「聞かれたのなら仕方ねぇな。まぁそういうことだ」



開き直ってるしっっ!!!!!


けろっとしている蓮斗さんを私は鋭く睨みつけた。




「人の情につけ込んで騙したの?」


「まぁまぁ、そんなに怒るとお肌に悪いわよ。」


俊輔さんになだめられたけれど、いま怒らないでいつ怒るっ!ってかもうおネェ隠す気さえないのか!!!



「…こんなの聞いてない。しかも慎太郎くん!!何してるの!?」


「え、ゲーム…」

「人の話を聞け!ゲーム機ぶっ壊すわよ!!」


私の怒りにひっと青ざめた彼は慌ててゲーム機を隠した。


この5人、とんでもないクズ臭がする。


「やめよ。交渉は決裂。この事務所も売り飛ばしてやる!!」



やってられるか。

と荷物を投げ捨てて、事務所を出ようとした刹那


後ろから手を引かれドアがバタンと閉まった。


ガチャリと締まる鍵の音。


「一度受けたもんを今更覆すなんて、んなことしねぇよな?」


「……騙してたくせにふざけんなっ!ケースバイケースよ!」


私の叫びに蓮斗さんは近寄ってきてあまりの迫力に後ずさりすれば、背中は壁。そのまま追い詰められてまたしても挟まれた。



「……まぁ…そういうな。やってくれたらタイプじゃねぇけど、いい夢くらい見させてやるぞ。」


「はぁ?」


「……他の男じゃ満足できなくなるだろうな」


「ちょ…離れてよ……」


「…それとも身体から従わせるか?」


蓮斗さんがフェロモン放出しながら
太もも辺りに触れてくる


ゾゾッと背筋に何か走り私は顔を歪めた。



こいつアイドルにはあるまじき女たらしのエロ男だ!!



「訴えるわよ。このクソたらし男」


「お前出会った時から思ってたけど、口わりぃんだよ。おい慎太郎写メれ」


「りょかいー」


写メれ?何言ってんの?


そう思った時にはもう唇に噛み付くようなキス



「!!?」


カシャと嫌な音が事務所の中で響いた。



ゆっくり離れたと思ったらニヤリと蓮斗さんが笑う。



「……お前、これ彼氏に送られたらどうなる?」




ま、さ、か、の、脅し!!!?
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