この関係を壊してでも伝えたいこと
運動部ではない私達がダウンするのはそう時間がかからなかった。
「どうしましょう…」
「割る?」
「緑川さんの意外な一面が知れてラッキー…」
「…アコちゃん、手は大丈夫?」
何度も錆びついた鍵を開けようとしたせいで彼女の爪は欠けたり割れたりしてしまった。
「気にしないでください、ここから出たらサロンに行きますから」
「お嬢さん流石だわ…」
定時制のための、最後のチャイムが鳴った頃には、鍵を破壊する方向にシフトチェンジした。
転がっていたテニスラケットのグリップでガンガン殴るだけの簡単な作業。