この関係を壊してでも伝えたいこと
築何十年のボロい校舎のおかげで壊す作業かなりの進捗度で進んだ。
「あっ、窓外れました」
彼女のトレードマークである、ふんわりとカールさせていた前髪が額にくっついてしまっている。
美意識の高い、普段の彼女からは考えられない。
「いけそ?」
「うぅ、高いなぁ…行きます」
覚悟を決めた彼女が窓枠に体を滑りこませ、体から一人分の重さがなくなった。
ドスンと重たい音がして低い悲鳴が聞こえた。
この高さから飛び降りたら痛いよね。
「いてて…緑川さん!出れました!」
「よかった、怪我はない?」
「はい!大丈夫です」