この関係を壊してでも伝えたいこと

非力な女子の平手打ちとはいえ、なかなか大きな音がした。


「ねぇ、バカにしてますね?」


酷いやつだと思う。

八つ当たりをして叩いて暴言を吐いて。


こんなのアコを妬むその他大勢と同じなのに。



「してない」


青い瞳は茜色を溶かして私を映す。


「ただ、亜湖が悲しそうなのは俺が嫌だから」


「なんですかそれ…」


そんなのまるで私のことを好きみたいだ。
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