この関係を壊してでも伝えたいこと
「青山さん!!!」




校庭の端のほうに彼はいた。

まるで私を待っていたかのように。


「私、白鳥さんのところへ行ってきます」


「そっか」


驚くわけでもなく、彼は淡々と返事をした。




「じゃあ、その前に言うことあるだろ」


「っ…はい……」


青山さんは、優しい。亜湖は勝手で傲慢で嫌なやつなのにそれでも優しい。

アコはそんな彼の心を縛り付けていた。


彼が本当に好きなのは、隣にいて欲しいのが誰なのかわかっていたのに。
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