この関係を壊してでも伝えたいこと
「…第一僕は一度も練習に出たことがありません。振り付け等知らないんです。無理です。根本的にできません」
「そんなの俺もに決まってるだろ、そこでお前だ」
肩に置かれた手に力が入り、逃さないとばかりにその場に繋ぎ止められました。
「ど、どういうことでしょうか」
「伊織は学年でも指折りの秀才だ」
「はぁ、それはありがとうございます」
おだててその気にさせるつもりでしょうか?
そんなに僕は馬鹿じゃありませんよ。
「今から教えてもらって30分後の応援合戦に間にあわせる」
「いや無理ですよ」
「記憶力のいいお前ならなんとかなる、それに俺だって今から初めて習う」
「無謀ですよ!というか、先輩一人でやったらいいじゃないですか!」