この関係を壊してでも伝えたいこと
「これ…俺の撮った写真?」
「ほら、身に覚えがある」
勝ち誇った顔をする彼女が何を言いたいのかわからない。
「これも、これと、てかもう全部」
「全部に緑川さんが写っています」
「ん、ほんとだ」
毎月一人一枚は学校の掲示板に張り出している写真。
桜を見上げる彗月。
遊と茜に挟まれてはにかんでいる彗月。
半袖に衣替えをした彗月。
「どれもいい写真ですよね」
「愛が感じられます」
「今度はアコと緑川さんのツーショ撮ってください」
「そんなの適当に撮ったし…今月のは彗月じゃねーよ?」
「え、それ本気で言ってます?」
やれやれ、とオーバーなリアクションで肩をすくめた遊は今月の写真を取り出した。
「これこれ、お前らじゃん」