この関係を壊してでも伝えたいこと
「いいんですか?先輩とられちゃいますよ」
「彗月が誰かと付き合うわけないだろ」
「確証はありませんよ。緑川先輩は誰のものでもないんですから」
伊織の言っていることは正しい。
でも、無意識では彗月は俺のものだと思っている節がある自覚はあった。
困ったと言いながらも世話を焼いてくれる姿や、何年経っても変わらずに俺の親友でいてくれること。
変わりゆく景色の中で彼女だけは変わらなかった。
俺がそう信じていたいだけなのかもしれない。