この関係を壊してでも伝えたいこと

「いいんですか?先輩とられちゃいますよ」


「彗月が誰かと付き合うわけないだろ」


「確証はありませんよ。緑川先輩は誰のものでもないんですから」



伊織の言っていることは正しい。

でも、無意識では彗月は俺のものだと思っている節がある自覚はあった。


困ったと言いながらも世話を焼いてくれる姿や、何年経っても変わらずに俺の親友でいてくれること。


変わりゆく景色の中で彼女だけは変わらなかった。


俺がそう信じていたいだけなのかもしれない。



< 213 / 309 >

この作品をシェア

pagetop