この関係を壊してでも伝えたいこと

コンコン、と控えめなノックの後木製のドアがきしむ音がした。


「亜湖、こんな所にいたのか」


「ご機嫌よう、会長」


「来月にあるボランティアの有志決まったか?」


しまった、と顔を一瞬しかめた後何事もなかったような笑顔で二人を指差した。


「はい、遊と伊織さんが」



二人はなんのことかわからない、という顔をしている。



「それはよかった、じゃあ今からついて来てくれる?」


「え、会長さん…ボランティアって何の?」



「近くの保育園の行事のサポートだ」


「じゃあ、二人とも行くよ」


「聞いてな…」


「遊、ボランティアはするべきです。では、僕はこれで…」


「なに一人だけ逃げようとしてるの!?」


「離してください、僕は子供が苦手なんです」



「うるさいなぁ。何でもいいから生徒会室で打ち合わせますよ」


ドップラー効果を生みながら騒ぐ二人は強制退出させられ、生徒会二人は一礼をして部室から出て行った。




一体何だったんだろう…

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