この関係を壊してでも伝えたいこと
月が変わるし、掲示物の張替えもしておこうかな。
読書週間のお知らせ、と印刷されたプリントを手にとって面倒か否かを秤にかけていると近づいてくる足音が聞こえる。
それに対して、一瞬だけ期待してしまった。
そんなはずはない、とすぐに可能性を否定し、足音の主を迎える。
「あれ?また日直?」
「頼まれちゃって、生徒会は終わったの?」
「さっきね、雨降ってきたから傘取りに戻ってきた」
「雨降っちゃった?私持ってないんだ…」
「…じゃあ同じ方だし一緒に帰る?」
「悪いよ、待たせちゃうし」
「いいよ、手伝うし」
彼のお言葉に甘えて少しだけ待っててもらうことにした。
それなら早く終わらせなきゃ。
高いところは彼にまかせて新しいプリントを画鋲で刺していく。
特にお互い話しかけることもなく黙々と作業をこなす。