この関係を壊してでも伝えたいこと


差し出されたハンカチで、今自分が泣いていることを知った。



「はーちゃんは鈍感だ。それにもっと欲張ってもいいんだよ」


「…だって、私は可愛くないし、いい所もないから…」



自信がないの。
小さな自分をさらけ出すことも、心を届けることも、正直になることも。



「そんなことない!!!」

 
静かな喫茶店に流れる和やかな時間から逸脱した厳しい声。


「そんなわけないだろ?はーちゃんにはいいところが沢山ある」


「…例えば?」


意地悪な聞き方をした。
どうせ頭がいいとか優しいとかみんなが言うことを言うんだ。


「優しいところ」


ほらやっぱり、みんな私の自己満足の優しさに騙されてる。


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