この関係を壊してでも伝えたいこと

「好きだ」


抱き潰されてしまいそうなほどに強く回された腕。


雨で濡れた前髪をはらって覗き込んでくる瞳は正面から見たことのない感情を含んでいる。


本当に凛ちゃんは私のことをいつもこんな表情でみていたの。


慈しむような愛おしむような。


目で好きって言ってるようなものだ。


なんで気が付かなかったんだろう。


…私も凛ちゃんをちゃんと見ていなかったから、かな。

一番振り回されていたのは私なのかもね。
親友って言葉にとらわれて等身大の彼を見ないようにしていた。


さよなら親友。

でも、欲張っていいなら親友も恋人も全部私に頂戴。


大好きな声が私を呼ぶから顔を上げてもう一度唇を受け入れた。

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