この関係を壊してでも伝えたいこと


ふわふわした髪が頬にあたってくすぐったい。




近いのは慣れてるけどこの状況が…


私のために選んでくれてるみたい。

さっきまで話してた店員さんもカップルだと思ったのか微笑ましい物を見る目をしていて居たたまれない。



ドキドキと速さを増した心音が聞こえてしまわないか不安になる。


「うん、似合ってる」


「‥.っ、私に似合ったらだめでしょ」



彼が話すたびに息が耳にあたってゾクリと背中が泡立ちそうだ。


必死に気持ちを押し殺して一緒に別のリングを物色する。



「サイズ感だよ、これ買ってくる」



緑の石がはまったリングは名残惜しそうに一度指に引っかかったが難なく抜けた。


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