この関係を壊してでも伝えたいこと
「母親かよ…」
「彗月先輩はどちらかと言うとおねーちゃんって感じです」
「こんなうるさい弟やだなぁ」
「えー、酷いっす!!!」
「俺は?」
「彼女関係のトラブルに巻き込まれそうです嫌です」
「うわっ、あってる」
「茜が巻き込まれたのは三回くらいでしょ?」
「そんな少なくない!!」
苛立ちや羨望の感情はもう薄れてしまった。
「ふふっ」
デートなんて言ってたけどこれはどう考えても違うでしょ。
親子?それだと琥珀さんがお父さんになっちゃう。
兄弟っていうくくりはわりといいかも。
「先輩は……っすよ!!」
「え?」
館内の迷子のお呼び出しにかき消された言葉を聞き返しても、茜は笑顔のまま何も言わずケーキを頬張った。