この関係を壊してでも伝えたいこと
「私もアコちゃんってもっと大人しいイメージだったけどね」


凛ちゃんの隣を歩く姿や、部室にいる時はもっと高嶺の花のような空気をまとっていた気がする。


仕草や表情が大人びていて、なぜ遊と仲がいいのか不思議に思っていた。


それが、怒鳴ったり、掴み合いの喧嘩をしたり、彼女は見た目詐欺が激しい。



「そう…でしょうね、緑川さんに会いそうな時は気を引き締めてましたから」


「そうなの?」


「はい、…緑川さんは私のこと嫌いだと思ってましたから。だから嫌ってやろうと思って」



目を伏せた彼女は隣に腰を下ろしぼんやりと扉を見つめた。



「関わったことがないのに?」


「アコは…いい人じゃないから…」


私と話しているのに私を見ていなかった。

私を通して違う誰かに話しかけているように虚ろな表情をしている。


「ごめんなさい…緑川さん」


「アコちゃん?ねぇ、どうしたの?」
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