BELLE
「よーしじゃあ今日は終わりね」
映画の打ち合わせが終わり席をだんだんと立ち始める
「(やっとこの人の隣からの威圧から解放される)」
さっと立ち上がろうとした時、
「宮崎さん、ちょっと役のことで話したいことがあるので残ってもらえません?」
佐伯遙が急に腕を掴んで、私に話しかけてきた。
「あー、じゃあ先に行きますね」
それを見ていたスタッフさんたちが出ていく
「(えっ!?ちょっとみんな待って〜!2人きり!?気まずすぎる…)」
無理とも言えないしいなくなるスタッフさんたちを止めることも出来ず椅子に再び座る
部屋にふたりきりになったところで佐伯遙が
「可哀想な女」
ボソッとこっちを見てまさに可哀想なものを見るように吐き捨てる
「え?」
あまりの事に声が裏返ってしまった。
だがその恥ずかしさより可哀想と言われたんだという劣等感に襲われた
「見てて腹立つわ、お前みたいな女。共演なんかしたくなかった。」
座っていたパイプ椅子から雑に立ち上がり勢いよく部屋から出て行った
ほんの、ほんっの数秒の出来事だったが
私が深い傷を負ったのは確か
でも、何で?私を引き止めてまで言うことだったの?そんな事が言いたかっただけ?
共演する私が嫌だからっていう当てつけ?子供じゃないそれじゃ、腹立つ
何なんだよ
何知ってるの
何も知らないくせに
私がどれだけ頑張ってきたか
あなたには
「わかんないでしょ、」