ときのいたずら
「……なんの真似だ」
鎧の男は刀を振り上げたまま質問する


「…た、助けてくださったのはお礼を言います。だけどこの人は謝ったじゃないですか」


「お前…そいつに友を殺されたのだろう?」

「……っ」

不意にあの猫が頭に浮かぶ

「お前の肩を切られたのだろう?」

「…っ、でもこの方は謝った!無抵抗の人に……それも反省している人を傷つけるなんてダメです!」


真っ直ぐに相手の目を映しながら言った

(こ、怖い、。だけど目を逸らした斬られる!!)


何分かたった後に前の男は刀を鞘に収めた

すると後ろの男は恐怖で小鹿のようになった足で森の深みへと逃げて行った


痛みや恐怖のぶり返してきた身体は少しずつ震えてくる


しかしその震えを必死にこらえ猫の元へ辿り着くと痛みのない左手で必死にそこの土を掘った。

そして猫がうまるくらいの穴を作るとそこに猫を埋めハンカチを被せた


「……っ…フゥ…ヒック
ごめんね。ごめんね。守れなかった。」


痛みや恐怖で泣き疲れた私は猫のお墓の前でいつの間にか眠っていた。

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