ときのいたずら
「お前が微笑むとは珍しい。それほどの魅力をこの女から感じないのは私だけか?」


そんな声に反応して後ろを見ると、あの時藤孝を切ろうとしていた人達がいる。もちろん信長様も……


「それはいいすぎだよ政宗」


「敵、もういない」


「ご苦労だったな明智」


明智さんは信長様がいることに驚いていたのか焦った声で告げた


「はっ……しかしお館様が少数しか護衛もつけづ外に出るのは多少危険が過ぎますよ」

すると信長様はガハハと笑いながら告げた


「すまんすまん、何やらこの3人がコソコソと面白そうなことを話していたのでな。見物しに来た」


そして信長様は明智から目を離し私の瞳を捉える


「真帆、やはりお前がおらんとつまらん。帰ってこい」


「嫌です。大人数で1人をいたぶる人の元へなんか行きたくありません!」


「そうか、ではこの男を殺せ」


その一言で信長様以外の4人が鞘にしまった剣を抜く


「ちょ、え?なにしてるの?!やめて!」


「真帆、お前が来ればその男も見逃してやる。どうする?」


焦って藤孝を見ると昨日の傷と今日の傷で座って肩で荒い息をしていた


(こんな状態じゃ信長様に抵抗もできなさそう、しかも藤孝はさっき味方に裏切られたばっかりで帰る場所もあるとは考えにくい

ならば、いっそ……)
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