ときのいたずら
「わかりました。帰ります、ただし条件があります」


「…なんだ?申してみろ」


「この人も一緒に連れ帰ります。殺したり暴力を振るうことも許しません」


「……信用出来る男なのか?」


その問に自信を持って答えた


「はい!」


「いいだろう。好きにしろ」

信長様の表情が少しだけ和らいだ気がした


「では帰るぞ」

そういうと信長様はすっと手を伸ばしてきて私を抱えた

「え?きゃっ、なんですか?」


「お前は俺の馬に乗せる。明智、その男を頼む」

「はっ、仰せのままに」


そうして私は信長様の腕に抱かれて馬へと乗せられた。

信長様の匂いが心地よく私は馬に乗せられたまま眠った


〜馬を走らせているとポテと胸に重みを感じた、どうやら女が眠ってしまったらしい。

昨日は怒っていたのに怒っている相手の前で寝れるとは大した女だ。


「フッ」と笑う


それを近くで馬を走らせていた明智が気づいて言う


「どうされました?」


「…いや、明日も面白そうな一日だと思ってな」

「楽しそうですね」


「そうか?…そうかもな」


それから5人は城への帰路をただ静かな月を見上げながら帰った。
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