ときのいたずら
そういった男は刀を鞘に収めゆっくりと近づいてくる


右肩からくる痛みは想像以上のものでドロドロと血が右腕を伝っている。私はその場で立って相手を睨むことしか出来ない


「いいねぇ、その顔、悔しさと痛みの中で泣くのが先か鳴くのが先か存分に楽しませてもらおうか」


「……それも面白そうだがこれはどうだ?ある1人の罪人の呆気ない最後」


初めて聞く声はニタァと笑う気持ち悪いの男の後ろからだった


そこには硬そうな鎧を身につけた1人の男がいた。その男は笑う男に刃を向けると躊躇なくその背中を切りつけた

ザシュッ


「ヴア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
切りつけられた男は凄まじい声を上げ相手を睨みつけながら聞いた


「オメェ……ッ…ハァハァ…何者だ」

「俺か?俺の名は織田信長
戦の残党がこの方角に逃げたと報告があってきてみれば、どうやら罪なき女子をいじめて楽しんでいるらしい」


「織田!?!……ヒッ…タ、助けてくれ!……すみませんでした!どうか命だけは!!!」


急に土下座をする男に私は(この鎧の人偉い人なのかなぁ。まあ、謝ってくれてよかった)と思っていた


しかしその織田さんは刀を鞘に収めずにその男にとどめを刺すかのように刀を振り上げた!


頭よりも体が先に動いてしまっていた。その土下座の人の前に立ち刀を振り上げている人の間に庇うように立っていた
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