コイゴコロ




『可愛い如月君に可愛いって言われるとかウケるんだけど。』


「いやいや、何にもウケないから。」



友達の美紗にバカにされて、最悪なアタシ。


女のアタシから見ても、

あの小柄な身長とか、
愛嬌のある笑顔とか。

うらやましいとこばっかり。


『あ~、如月君、寝てるよ~』


ベンチで寝るのは、皆から見えるから?

そんなこと、思えるくらい、彼は常に注目を浴びている。



『プリンは……こんなに育ちました……』


『え!?何、今の寝言!?』


『プリン育ててるんだね~。』


『『可愛いっ!!』』



翡翠のすることは、全て可愛いのです。

・・・悔しいくらい。


『あっはは!!花梨の彼氏、プリン育ててるよ。』


「プリンって、育てられないでしょ。彼氏じゃないしね。」


『はいはーい。意地張っちゃって。』


「意地なんて、はってないってば!!」


みんなそう。

あんなにくっついてくるから、彼氏だと勘違いされる。

美紗は、からかってくるし。



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