dream
集める
「集める」


黒雲が立ち込めるこの村、廻生村(ねいきむら)。私が物心着いたときには、既に“恐怖”で支配されていた。


“村の地に眠る五つの宝玉を手に入れよ。さすれば、光が解き放たれ、平和が訪れるであろう。”


廻生村には伝わる言い伝え。私は生まれてから一度も太陽というものを見た事がない。両親が生まれたときも今と変わらない状況だったらしい。この村は通年、夜が来たように薄暗い。
私は「光が見たい」とその宝玉を探す事にした。両親には告げない。それは、今まで宝玉を探そうとした者は皆、不審な死をとげているからだ。「この君悪い世界を終わらせる。」私はそう決意すると布団に入り、目を閉じる。あっという間に夢の中へ。





すると、どこからかどんどんと音が聞こえてくる。ふと目を覚ますとそこには四方八方が3段の石段で囲まれ、その中心に私は横たわっていたようだ。周りは暗いのい、石段を含め囲まれている部分だけが明るくはっきりと見える。気味が悪い。何もないのにどんどんという音だけが聞こえる。周りを見渡すが何もない。一点に集中し音を聞いている。背後に違和感を感じ、瞬時に振り向くと1メートル50センチ程のこけし人形がひとつ。無表情に現れた事で、血の気が引くのを感じた。声も出せないまま、ショットを繰り返すカメラのように次々目線を移していくとこけしは増え続ける。私の恐怖心は限界に達した。こけしが増えると音も増し、あっという間に私は、3段全てに佇むこけしに囲まれた。

『なに?なんなの!』

声を荒げるがこけし達は無表情のままどんどんと音を立てている。ふと私は気づく。これは全て警告なのだと
集めればどうなるかわかっていたつもりだったが、非科学的な状況に呆然とする。夢なのか現ジツなのかもワカラナイ。あまりのイ常さにワタシは…

さて私はどうなるのかしら。あはは
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