らぶ☆シュート

 
そう言って、申し訳なさそうに教室に入ってきたのは、
 
オレがまさに今、心配していた柚希ちゃんだった。
 
 
「柚希ちゃんっ!!」
 
『な、何‥?』
 
勢いよく近づいたオレにびっくり気味の柚希ちゃん。
 
 
でも、そんなことより
 
「ケガしてんじゃん!!」
 
 
『あぁ‥うん。ケガしたから保健室行ってたんだぁ。
 
だから遅れちゃったの。』
 
何でもなさ気に言う柚希ちゃん。
 
 
「ケガ、たいしたことないないの?」
 
 
『本郷くんが手当てしてくれたから大丈夫だよ〜』
 
 
あぁ、そっかそっか〜♪本郷が手当てしてくれて‥‥ってオイ!!
 
本郷が手当て‥?あの女嫌いが?
 
 
「ねぇ柚希ちゃん、その話もっと詳しく教え‥Σ痛っ
 
頭たたくなっ!!」
 
 
『お前さっきからうるせーっつーの。
 
あ、遅れた理由は分かったから、間宮はさっさと席に着け。』
 
 
「怒らないんですか?」
 
 
『んなことで怒るかよ。それに‥‥』
 
 
そう言いながら、山口は柚希ちゃんに近づき、
 
耳元でささやいた。
 
.
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